願わくば溶けて





女の子は勢いよく頭を横に振り僕の解釈を否定した。



「というか、私泣いてました!?すっ、すみません。お恥ずかしい」



「あの、でもですね。泣いてたのは決してお隣さんが嫌とかではなく」



「うっ、嬉しくて」



「嬉しい?」



赤い顔を味噌汁のカップで隠し女の子は辿々しく話していく。



「あの…… お恥ずかしい話なんですが私、最近人と話す機会がめっきりなくて」



「母は仕事が大変であまり一緒に居られる時間も少なくて」



「友人は、こんな性格なので全然居なくて。だから、かな」



「誰かとこうやってお話したり何かを食べたりするのが久しぶりで嬉しくて思わず」



「泣い、泣いたりなんか。すいません」