「はい」
「あっ、ありがとうございます」
味噌汁を差し出すと丁寧なお辞儀とともに感謝の言葉が返ってきた。
「わっ、温かいです」
味噌汁の湯気が女の子の顔に直撃する。
「火傷しないで下さいね」
「はい」
女の子が冷ます為に味噌汁に息を吹きかけている間、僕も自分の分のカップの味噌汁を取り出しお湯を注ぐ。
「―― ふっは」
隣で満足気な声が聞こえ思わず横目で女の子をチラッと見る。
「えっ、」
そして僕は顔を見て心底驚いた。
泣いていたのだ。
味噌汁を飲みながら湯気で涙を隠しながら。
えっ、えぇー。
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