願わくば溶けて





「―― あれ!?お隣さんどうしたんですか?」



「えっと、」



僕の足音に気付いた女の子はすぐさまこちらに顔を向け驚きの声を上げる。



「あっー…… お味噌汁とカイロのお裾分けに?」



なんだ!その理由は!?



もっとましな理由はなかったのか僕。



「えっ、…… あっ、ありがとうございます」



「あっ、いえ」



まぁ、こんな反応になるよな。



知らないお隣のおっさんがいきなりなんか物渡してくるんだから。


あっ、なんか自分で言って悲しくなってきた。