願わくば溶けて




「はー、寒かった」



ガチャンと後ろ手で扉を閉めて一息つく。



寒かった…… し、奇妙な女の子には会うし、事案になりそうだったし。



「本当今日はついてないな」



というか、あの子は大丈夫なんだろうか。



今日は今年一番の寒さと聞くし ……



「…… んーやめ、やめ!あの子のことは考えても仕方ない」



自分の両頬を軽く叩き



「それより、今日の晩飯のことだ」



気を取り直して僕は手を洗ってキッチンへと向かった。