そうしてまな板にチョコを乗せて包丁で切っていく。 バキリとコトリと派手な音がキッチンに響いた。 バキリと派手な音を何秒かたてながら大雑把にチョコを切った後鍋に牛乳を注ぎ温めていく。 その間に僕はチョコレートを細かく刻む。 コトコトと鍋で牛乳が煮られる音とカタカタとチョコが切られる音が静寂のキッチンを包む。 その間、僕はあの奇妙な少女との出会いを思い出していた。 そう、あれは丁度今日のような冬の日 ―― その日は一等寒かった。