この政略結婚に、甘い蜜を

バーカウンターの奥には、華恋が名前の知らないお酒の瓶がたくさん飾られており、バーテンダーが注文されたカクテルを素早く用意している。店内にはジャズが流れ、誰もがゆったりとした時間を楽しんでいた。

「マスター、いつもの頼むわ」

華恋は傑と共にカウンター席に座る。椅子に座るとすぐに傑は注文し、バーテンダーはライムジュースとシュガーシロップ、そしてドライジンを混ぜていく。

「お待たせ致しました、ギムレットです」

傑の目の前に、透明なカクテルが入ったグラスが置かれる。グラスを傑は嬉しそうに手に取り、「やっぱり最初に飲むカクテルはこれやな」と微笑む。

「すごいね。カクテルの名前を言わなくても、覚えてもらってるんだ」

華恋が素直に思ったことを口にすると、「行きつけや言うたやろ」と言った後にバーテンダーに注文をする。

「彼女に飲みやすいやつ、作ったって」

「かしこまりました」

バーテンダーはチョコレートリキュールに牛乳を混ぜていく。そして、出来上がったブラウンのカクテルは大きめのグラスに注がれ、華恋の前に置かれる。