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 美桜は自室のベッドで、ふわふわの毛布にくるまりながら溜め息を付いた。

 今日のあれは、一体何だったのだろうか?

 屋上で『さくら』と呼んだ女性に勝手に嫉妬して逃げ出したら、次の瞬間には先生の腕の中で……。冷や汗もかいたけど、すごくドキドキした。あの大きな体に包み込まれるように抱きしめられて、安心した。ナースステーションでの出来事を思い出し、美桜はベッドの上をゴロゴロと、行ったり来たりを繰り返した。そして思い出す、みんなの生温かい視線……イヤーー。思い出してもみんなの視線が痛すぎる。

 赤くなったり青くなったりを繰り返しながら美桜の夜は更けていくのであった。