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 最近どうにも重傷だ。

 夢の出来事と現実がごちゃ混ぜになってしまい、失敗が多い。

 昨日も樋熊先生に『お兄ちゃん』と声を掛けてしまい、同僚達に大笑いされたばかりだ。一体私はどうしてしまったのか……?そんな私に樋熊先生は、頭をワシワシと乱暴に撫でてくれる。

 髪が乱れるから止めて欲しいと訴えれば、うれしそうに口角を上げる。

「お前が可愛いのがいけない」

「かっ……かわいい」

 くくくっ……と笑いながら先生は行ってしまうのだが、高鳴る心臓を押さえる事が出来なくなっていた。


 ああ……もう、気づかないふりなんて出来ない。

 出来るわけが無い。

 私は……樋熊先生が好きなんだ。