そんな正悟の誠実な姿にうれしくなる。

 そう思いながら正悟の顔を見ると、眉間に皺が現れた。正悟が組んでいた腕に、美人のお姉さんが触れると、更に眉間の皺が深くなる。美人のお姉さんは、よほど自分の容姿に自信があるのだろう。めげることなく、正悟を落とそうとしていた。

 すごいな。

 あんな風に自分に自信が持てる人が羨ましいと思う。

 そんな事を思っていると、ふっと顔を上げた正悟がこちらに気づいてくれた。

「美桜!」

 そう私の名前を呼ぶと、美人のお姉さんが触れていた手を振りほどき、口角を上げた正悟がキラキラとした笑顔を向けてきた。

 それには美桜も、周りにいた女性達も息を呑む。

 眩しい……。

 思わず、正悟から発せられるキラキラを手で遮る。

「正悟さん、今日はやけにキラキラが……眼福ではあるのですが、イケメンオーラにやられてしまいそうです」

「何を言っている。それは美桜だろ。こんなに可愛らしく着飾って、すぐに食べてしまうぞ」

 そう言って美桜の左手を取ると、かちらを見つめながら指にキスを落としてきた。瞳の奥にキラリと光る、熱い獣のような瞳に、ゾクリと背中が震える。美桜のそんな様子を見た正悟が、フッと口角を上げた。

「その前に、今日は両親に会わせなければな」

 そんな二人を見ていた回りから、複雑そうな声が聞こえてきた。

「何あの子、彼女?」

「ぜんぜん釣り合わなく無い?」

「私達にもワンチャンあるんじゃ無い?」

 言いたい放題のギャラリー達の言い分も最もだと思っていると、バタンッという音と共に悲鳴が聞こえてきた。