すぅとあづには、まずは手紙にする事にした。


君たちに出会えた事は人生の宝物である事。


君たちは私にとってかけがえのない存在で、必要要素だという事。


正直、死ぬ事がすごく怖い事。


死なずに済むのなら死にたくない事。


出会ってからの思い出を綴った。


夜が明けるのなんて構わなかった。


ひたすら、紙に想いを綴った。


気付いたら2日間の休日は終わりを告げた。


すぅからの着信を知らせるお気に入りの音楽が部屋に響く。


「もしもし」


すぅの聞き慣れた優しい声がする。


「今日は、流星群が見えるらしい。いつもの場所に行こうよ」


私たちのお気に入りの場所がある。


星がよく見える静かなあの場所が3人のお気に入りの場所だった。


それで急に思い出した。すぅとあづと仲良くなったキッカケを。


3人とも月とか星とか名前に入っているねって話から仲良くなったんだ。


そして、趣味は星をみること。


3人が仲良くなるのは必然で、


私が今日此処にいる事も必然なんだ。


私が生まれた日、ちょうどしし座流星群が出現したらしい。


私は手紙を握り締めて光も連れて行く事にした。


「きっとこの流星群は何か意味がある。私たちを取り戻すの!」


私は光の手をひいて走り出した。



いつもの場所に着くといきなり空が暗くなった。



空を見上げるとしし座流星群がすぐそこにあった。


「光!!私たちは此処できっと終わる。そして、始まるの!」


物凄く大きな音が鳴り響いている。


でも、街は静かで何もないかのように落ち着いていた。


私たちだけに聞こえているようだった。



「俐桜!!!」


すぅとあづが私の名前を呼んだ。


間に合った。


光と私は此処で一緒になる。


きっとこの流星群に巻き込まれて分裂した私たちはまたこの流星群によって戻るんだ。


生まれたあの日にもこの流星群のせいで原因不明の病気を患ったんだ。


だけど、それも今日で終わる。


大きな音と強い光に包まれた。


強い光はきっと、もう一人の私で彼だ。


もみくちゃにされるのを感じながら目を閉じた。


気付くといつもの場所で私たちは倒れていた。


書いたはずの手紙も、有住 光も消えていた。