金曜日の夜、ふとカレンダーを見て気付いた。


私の余命はついにあと半年になった。


彼は5ヶ月で消えると言ったのにまだ隣で寂しそうな顔をしていた。


いよいよ私の転校が近付いてきた頃、彼は私の家を訪ねてきた。


「話さなくちゃいけない事がある」


真剣なその顔に私は断れず家にあげた。


「僕は君で、君は僕だ」


彼はいきなり訳のわからない事を言った。


私は口を開けて固まってしまう。


「つまり、僕は君なんだ」


噛み砕いたみたいな言い方をした割に同じ事を言っているだけの彼に私は更に混乱した。


「君はあの日1年後に死ぬと言った」


彼はゆっくりと話し始めた。


彼が言うには、彼は私らしい。


彼の言う"君"は死ぬ直前、全てに後悔するらしい。


距離の出来た両親にも、病気を打ち明けずに最期に会えずに終わったすぅやあづにも、何よりひっそり1人で死んでいこうとした自分自身に。


ちょうど流星群が地球のすぐ近くを通過する日だった。


何かの拍子にその後悔が形になったという。


君は僕になって、君の最期をやり直すチャンスを得たという。


つまりは僕は君で私は彼だった。


難しい話だし、科学的な知識もないし私はもっぱら暗記科目専門だからさっぱり分からないけれど確かに私は彼になったらしい。


全てを溜め込む私を助けて別の世界線にしたかったらしい。


だけど、私は私だから頑固でそう簡単には意見を曲げそうにないから強行突破に出たようだ。


彼の願いは2つだった。


大事な人にちゃんと病気を打ち明ける事。


両親とやり直す事。