陸はそのまま階段を上がり始めた。

「え?トレーニンングじゃないの?」

そのまま玄関に向かうと思ってたのに。

「まさか。行くのは夕飯くってから」

「え?じゃあどこ行くの?」

「トイレ」

えっ・・・
意外な答えに驚いたあたしは立ち止まった。

「何赤くなってんの。変な想像すんな」

「し、してないもんッ』

あたしはあわてて否定して、
そのままリビングに行こうとした。

「バカ、冗談だよ。宿題やるから教えて」

腕をつかんで引き止められて、
引き返した足を止めた。

「バカじゃない?」

「うるせー。そんなことどうでも良いんだよ。
早くしろトロ子」

陸はそのまま手を放して、
サッと階段を上がっていってしまった。

あたしはいつだって陸にバカにされて
後ろをチョロチョロ着いてい歩く。

2人の上下関係は
昔から変わらない