指先から溢れるほどの愛を

それなのに、スウェットの裾から侵入して来た坂崎さんの手が私の胸にまで刺激を与えてくるからもうたまらない。

私の呼吸はどんどん荒くなって、抑えようとしても甘いため息が漏れ出てしまう。


「……ふ……っ」


「ミーコ、声、抑えると苦しいぞ」

「……んっ、はぁっ……!」


そしていつの間にかスウェットは脱がされ、下着も取り払われて。

片方の胸の頂は坂崎さんの手に、もう片方は坂崎さんの唇に攻め立てられて、絶え間なく与えられる刺激に漏れ出る甘いため息は次第にはっきりとした声に変わる。


「あっ……、やぁ……っ」

「……はぁ……。もう可愛すぎてたまんない……」


そんな甘いセリフにも赤面している余裕はもうなかった。


「あっつ……」と呟いた坂崎さんも、スウェットを脱ぎ捨て上半身裸になる。

程よく筋肉がつき引き締まった身体に息を飲んだのも束の間。

今度は下腹部の敏感な部分にその節だった長い指が触れて、もう声なんて我慢出来なかった。

強弱をつけて間断なく与えられる刺激に忠実に漏れる声。

それに煽られたように激しくなる動きに私はもうトロトロに溶かされて。

坂崎さんを迎え入れた後もまた容赦ない快楽を何度も何度も与えられ、耳がとろけそうになるくらい甘い声で「可愛い」「好き」を繰り返される。


「坂崎さ……っ、もっ、むり………っ」

「……ん、ごめん。でも、まだやめてやれそうにないーーー………」


何度目かの高みにのぼらされた時息も絶え絶えにそう訴えれば、坂崎さんは私の目に浮かぶ生理的な涙を指で優しく拭いながらもそんな優しくない宣言をして。


いつもはたくさんの人を魅了する魔法の手と本当になめてはいけなかった35歳の体力に、私はそのまましばらく翻弄されることとなったのだったーーーー。