数分程押入れの中を漁っていると、昔友達から貰った手紙や思い出の品がしまってあるお菓子の箱が出てきた。
掃除や探しものの最中にこういった物にかまっていると、どんどん時間が過ぎていって本来やるべき事がまったく捗らない、なんてことよくあるよなと思いつつ、懐かしさに駆られつい手がのびる。
手紙の内容の殆どはくだらないことなのが何だか嬉しい。
学生時代に戻った気分だ。
あらかた見終わった時、箱の一番下にある真っ赤なカードを見つけた。
よく見てみるとそれはバレンタインのメッセージカードだった。
カードに綴られている拙い告白の言葉を頭の中で読み上げると、胸の奥から何かがこみ上げてくる。
何年も蓋をしていた思い出したくもない記憶が嫌でもよみがえってきた。


