もちろん圭太は親友だから結婚式には出席するけど、手元にドレスが無い。
なので今、親戚の式で着て以来使っていないドレスを探しに実家に来ていた。
「ただいまー」
「あっ、おかえりなさい。思ったより早かったわね」
家の中から声が聞こえてくる。
居間の扉を開けると、炬燵に入ってくつろぐ母が居た。
「麻未が帰ってくる前に私も少し押入れを探してみたんだけど、見つからなかったわよ」
「ありがとう。やっぱり私の部屋かな」
「あるとしたらもうそこだけじゃない」
さっきまで雪が降る中を歩いてきたせいで、手が悴み赤くなっている。
ドレスを探す前に少し身体を暖めよう。
そう思い私も炬燵に入ると、母が結婚式の話を始めた。