あれから暫くして、穂波がかりんに謝ってきた。



「ゴメンね。全部、聞いた、数馬くんから。私、勘違いしてるところがあったみたい。


でも、私の負けは負けだから、素直に認める。学校生活残り少ないけれど、かりん私とまた友達でいてくれる?えへっ」と明るい表情でかりんに仲直りの手を差し伸べてきた。



「うん、私達、友達でいよう。離れていても、ずっと、友達でいようね」



卒業前に穂波と関係が修復出来てまた親友同士に戻ることが出来て本当によかったと思う。


私もこうなる日を心のどこかで待ち望んでいたのかもしれない。


わだかまりが残ったまま卒業式を迎えるなんて絶対に嫌だったから。


もう、卒業式まで学校に来られる日も僅かになってきたからだろうか。



卒業式の時に歌う卒業生の歌の練習、女の音楽の草刈(くさかり)先生の指導がより一層熱が入ってきたように感じる。