首取り様4

それは厳しくも優しい声だった。


実里の喉がヒクリと動く。


「過去は変えられない。だから引きずっていても意味がないんだ」


「でも、でも……」


「大丈夫。未来ならいくらでも変えることができる」


「私達はこの街から出ることもできないのに!?」


実里の悲痛な叫び声が響いた。


やはり昔首取りをしていた子孫たちは、いろいろな因果に絡め取られてこの街から脱出することが不可能なのかもしれない。


もし外へ出ることができるのなら、地蔵の怨念からも開放されていただろう。


それを許さないほどの強い力が働いているのは、間違いなさそうだった。


「この街の中にいても、変えられる。少なくても、俺たちは地蔵に手助けなんてしなかった」


それは実里の胸に突き刺さる言葉だった。


父親たちも同じ経験をしてきた。