首取り様4

「どうか、一生も助けてやってほしい」


いつの間にか本間がやってきていて、4人に向けて頭を下げた。


大輔が「当たり前だ。そうしないとこの街は壊滅するんだからな」と答える。


佳奈たちも同感だった。


慎也と美樹だけが助かればいいとはもう思っていなかった。


首を取られた全員が戻ってくるべきだった。


しばらくその場から離れずにいると、実里が布団の下で身じろぎをした。


柏木がすぐに声をかけて近づいてく。


「実里、実里!」


「う……ん」


小さな唸り声。


けれどそれは間違いなく実里の声だった。


「お父さん?」


薄っすらと目を開けた実里が目の前の父親に混乱した声を上げた。


「目が覚めたんだな、よかった。本当によかった」


柏木が両手で実里の体を抱き起こす。


その目には涙が滲んでいる。