首取り様4

☆☆☆

首探しをさせられているとき、地蔵に首がつく度に黒い化け物は体数を増やしていった。


しかし今地蔵の首を切り取る側に回ると、黒い化け物が体数を減らしていることが見て取れた。


あれだけ無制限に出てきていた化け物が今は同時に出てきても2、3体でとどまっているのだ。


「地蔵から首が消えたから、黒い化け物も消えてるんだ」


明宏は早足で歩きなっがら分析する。


もう少し早くこうして数を減らすことができていれば、街にあふれる人々の死体も少なくてすんだのかも知れない。


どれだけ地蔵の首を取ってもすでに死んだ人たちが生き返るわけじゃない。


この街はすでに、地蔵たちが望んだ通りの壊滅状態になっていた。


それからどうにか柏木家に戻ってきた4人は先程と同じように受け入れられた。


大輔が持っている刀を見た柏木は「よくやった!」と、まるで我が子のように佳奈たちの頭を順番に撫でていった。