佳奈は周への警戒を残したまま、春香の声に反応した。
寺の周辺は信じられないほどに静かだった。
街の中が地獄のようになっているのが嘘のように感じられる。
まるでここだけ結界で張られていて、悪いものが入って来られないようにしているかのようだ。
「大丈夫?」
その問いかけに一瞬返事ができなかった。
佳奈はゆっくりと振り返って春香を見る。
「私も大丈夫じゃないんだけどさ、でもきっと佳奈や明宏のほうがずっと大丈夫じゃないんだろうなって、思ってて」
しどろもどろになって言う春香に佳奈は小さく笑った。
これが春香なりの心使いなのだと十分に伝わってきた。
「そうだね。正直全然大丈夫じゃない」
佳奈と春香は石段の一番上に肩を並べて座った。
寺の周辺は信じられないほどに静かだった。
街の中が地獄のようになっているのが嘘のように感じられる。
まるでここだけ結界で張られていて、悪いものが入って来られないようにしているかのようだ。
「大丈夫?」
その問いかけに一瞬返事ができなかった。
佳奈はゆっくりと振り返って春香を見る。
「私も大丈夫じゃないんだけどさ、でもきっと佳奈や明宏のほうがずっと大丈夫じゃないんだろうなって、思ってて」
しどろもどろになって言う春香に佳奈は小さく笑った。
これが春香なりの心使いなのだと十分に伝わってきた。
「そうだね。正直全然大丈夫じゃない」
佳奈と春香は石段の一番上に肩を並べて座った。



