「隠し場所がわかりますか?」


明宏の質問に柏木は難しい表情で左右に首を振った。


「わからん。だけど、この寺のどこかではあるはずなんだ。それ以外にいわくつきの刀を保管しておく場所なんてないからな」


それならとにかく今から三福寺へ向かって探すしかなさそうだ。


それほど広い寺ではないから、みんなで探せばすぐに見つかるかもしれない。


「俺たちもその刀を取りに行くためにあの化け物たちを退治してたんだ。それなのにあの化け物は殺しても殺しても湧いて出てくるじゃねぇか。埒が明かないと思ってたところなんだ」


「それなら俺たちも手伝う」


大輔がすぐに声を上げた。


高校生4人と大人5人。


9人いれば化け物に襲われたって何人かは寺にたどり着くことができるはずだ。


少しだけ希望が見えた気がして佳奈は自然と口角を上げていた。


もうすぐきっと慎也を助けることができる。


そんな気がしたのだった。