首取り様4

カンッ! と鈍い音を立ててコンクリートに落下する。


佳奈は咄嗟に両足を踏ん張り、下から慎也の顔を見上げる形になった。


慎也は再び両手をこちらへ伸ばしてくる。


「ごめんね」


呟くと同時に佳奈は慎也の両手を掴んでいた。


こちらへ向かってくる力を、力でねじ伏せるのではない。


相手の力をそのまま利用するのだ。


佳奈は習った護身術で慎也の腕をひねり上げていた。


慎也はコンクリートの上に叩きつけられる。


石でできたひどく重たい体でも持ち上げることができたことに、佳奈自身が驚いた。


だけどまだ終わっていない。


間髪入れずに落ちた刀を拾い上げて、慎也の体に馬乗りになった。


そして首めがけて思いっきり振り下ろす。


刀は恐ろしいほど簡単に慎也の首を切り裂いた。


ほんの少しの力だって必要なく、首はゴロリと音を立てて転がった。


「あぁ……」


思わずため息が漏れた。


やってしまった。