首取り様4

「あぁ。なかなかひどい気分だったぜ」


大輔は開放されたように腕をグルグルと回してみせた。


これで慎也の首を取る。


自分の手で……。


時折出現する黒い化け物はことごとく猟銃で倒していった。


最初この化け物を見たときの恐怖もおののきも、今でも遠い過去の出来事のように感じられる。


武器が強くなったこともその要因のひとつだろうけれど、きっと自分たちも大きく変わったはずだ。


こんなことに巻き込まれていなければ、今でものうのうと、街の歴史のことも知らずに過ごしていただろう。


そして不意に地蔵や化け物が出現して、逃げる隙もなく殺されていたはずだ。


「美樹を確認しに行きたい。そろそろ起きている頃だと思うから」


慎也の家が近づいてきたとき、明宏が言った。


確かに、目覚めた美樹を放置しておくのはよくないかもしれない。


1人で外へ出て化け物や地蔵と遭遇する危険もある。