首取り様4

☆☆☆

「慎也の首は私が取る」


街の中を歩きながら佳奈は言った。


何体か地蔵の首を取ったときから、そう決めていたのだ。


「できるのか?」


前を歩く大輔が聞く。


佳奈は大きく頷いた。


いざ慎也の首を持つ地蔵が目の前に現れたら、そのときは怯んでしまうかも知れない。


それでも自分でやる覚悟はできていた。


そんな佳奈を見て大輔は刀を差し出してきた。


「私が持っていていいの?」


「最後の1体は慎也だ。お前が持ってろ」


佳奈は頷き、恐る恐る両手で刀を受け取った。


ずっしりと重たいそれは人の血を吸ってきたと思わせる、不気味は雰囲気を放っている。


手に持っているだけで気分が重たく沈んでいきそうで、佳奈は背筋を伸ばした。


「こんなのを振り回してたんだね」