☆☆☆
「うっ……うぅ」
地蔵の首を抱きしめて明宏が嗚咽する。
明宏の流した涙が地蔵の頭にシミをつくっていく。
「なにしてんだ。それは美樹じゃない」
大輔が無理張り地蔵の頭部を引き剥がしてサッカーボールのように思いっきり蹴り飛ばした。
石はゴロゴロと転がって行く。
「大輔。ちょっとは明宏の事考えてあげなよ」
春香が慌てて耳打ちする。
「はぁ? 地蔵の頭を取れば美樹は元に戻るのになんで泣く必要があるんだよ」
地蔵が残り1体になったからだろうか、大輔は少し冷たい態度で明宏を見下ろしている。
「早く慎也の首も戻して、帰るぞ」
大輔の目はすでに最後に残った慎也の地蔵へと向いているように見えたのだった。
「うっ……うぅ」
地蔵の首を抱きしめて明宏が嗚咽する。
明宏の流した涙が地蔵の頭にシミをつくっていく。
「なにしてんだ。それは美樹じゃない」
大輔が無理張り地蔵の頭部を引き剥がしてサッカーボールのように思いっきり蹴り飛ばした。
石はゴロゴロと転がって行く。
「大輔。ちょっとは明宏の事考えてあげなよ」
春香が慌てて耳打ちする。
「はぁ? 地蔵の頭を取れば美樹は元に戻るのになんで泣く必要があるんだよ」
地蔵が残り1体になったからだろうか、大輔は少し冷たい態度で明宏を見下ろしている。
「早く慎也の首も戻して、帰るぞ」
大輔の目はすでに最後に残った慎也の地蔵へと向いているように見えたのだった。



