4人はすぐに昇降口へと向かった。


鍵は開いていて中に入ることもできる。


見知らぬ中学校の廊下を歩くのは不思議な気分だった。


作りは似ているけれど、雰囲気や校舎内に使われている色、匂いも違う。


4人は階段を見つけて駆け上った。


そして電気がついていた教室へ向かう。


廊下を走って教室へ向かっていると、ちょうどそこから1人の少女が姿を見せた。


少女は4人を見た瞬間驚いたように身を固める。


しかし4人が普通の人間だとわかると肩の力を抜いた。


「あなたたちも逃げてきたの?」


少女に声をかけられて佳奈は左右に首を振った。


ここは中学校だけれど、少女は小学生低学年くらいに見える。


「そうじゃないの。私達は灰色の人間を探しているの」


地蔵を探していると言っても伝わらないと考えて、佳奈は言い方を変えた。


「私見たよ。ここに来るまでにいたの」


少女は興奮気味に説明する。