首取り様4

☆☆☆

翔太の願いを聞き入れて4人は再び外へ出てきていた。


猟銃の弾を追加でもらい、ストックは十分にある状態だ。


黒い化け物は体数を減らしているし、この調子で地蔵を見つけることができれば悪夢から開放されるのもそう遠くはないと思えた。


しかし、街を歩いているとあちこちに死体が転がっていて、それを踏みつけないようにして歩くほうが難しいくらいだった。


血と肉の臭いが充満する街は地獄そのもので、吐き気は止まらない。


「どこにいるんだよ」


先頭を歩く大輔が周囲を見回しながらゆっくりと進んでいく。


化け物も地蔵も不意に姿を見せるので用心に越したことはなかった。


時折黒い化け物を見つけて発砲しながら前へ進んでいくと、民家の中から女性の甲高い悲鳴が聞こえてきて4人は同時に立ち止まっていた。


「今の声聞いたか?」


大輔が振り向く。


佳奈は大きく頷いた。


「聞こえた! あの家だと思う!」