石碑のあった空き地へ戻ってくると、それぞれが懐中電灯を片手に土を掘り始めた。


4人の高校生が無言で空き地の土を掘り返す姿は他の人には見せられないものだった。


見つかればきっと警察に通報されてしまう。


そうならないためにも誰かの足音がきこえてくるたびに4人は地面に突っ伏すようにして草木に身を隠した。


ザッザッと靴の底をこすって歩いていく足音を聞きながら、佳奈は草の匂いに顔をしかめた。


土と草のむせるような匂いはどうしても慣れることができない。


足音が徐々に遠くなってやがて聞こえなくなってから、佳奈はようやく身を起こした。


念の為に明かりも消していたので辺りは真っ暗だ。


そのままあるき出そうとしたとき、なにかがつま先にあたって躓いた。


危うくコケてしまう寸前で体勢を立て直す。