明宏はジッと3人目の地蔵の顔を見つめている。


年齢はきっと自分たちと同じくらい。


見覚えがないか記憶をたどっているけれど、やはり地蔵の首についた顔は知らない人物だった。


「僕たちがイケニエから開放されても、イケニエ事態はなくならなかったように」


ザァッと4人の間に強い風が吹き抜けていった。


「どうにかして慎也と美樹の首だけでも元に戻さないと」


佳奈は目の奥にグッと力を込めて涙を押し込めた。


新しくついた首のこと、新しくイケニエになった人たちのことはもちろん気になる。


けれど、今は2人の首を戻すことが1番だった。


「どうする? どこを探す?」


大輔からの質問に明宏は顎に手を当てて考え込んだ。