慎也の家に戻ってきた4人はそれぞれリビングでくつろいでいた。


「今のイケニエに会って話をきくことができればいいけどな」


明宏がお菓子をつまみながら言う。


テーブルの上にはコンビニで買ってきたお菓子やジュースが並べられていた。


「でも、誰がイケニエになってるかわからないよね」


佳奈がつぶやく。


自分たちが首を探しているときのことを思い出すと、余計な人物や生き物に会うことはできなかった。


建物だって、入れる場所と入れない場所があったくらいだ。


関係のない人間は存在しなくなる。


首探しは別の世界線で行われているとしか思えなかった。


「だけど、地蔵を見ることはまだできた」


明宏が反論した。