このファイルには被害者と加害者の名前が容赦なく記載されている。


それを見た人たちが何を感じて、どう考えるのかとても良い結果になるとは思えなかった。


「これだけのイケニエの怨念があるとしたら、ガイコツを探すだけで解消するわけねぇよなぁ」


大輔がため息交じりに言った。


「そうだ。あのガイコツは結局誰ものなんだろうな?」


明宏が時計を確認し、7時が過ぎてしまっているのを見てファイルを閉じた。


「え?」


佳奈は聞き返す。


「イケニエは何十人、もしかしたら何百人といる。それなのにガイコツはひとつずつしか見つかってない」


それもそうだった。


5人分の地蔵に、1つずつしか見つからないガイコツ。


そこになにかヒントが隠されている気がするけれど、あえなく閉館時間となってしまった。


「これからどうするの?」


図書館から出て佳奈は明宏に訪ねた。