「お願いします! お願いします!」


4人並んで、声を揃えて懇願する。


その様子に今度は智子が後ずさりする番だった。


ついさっき自分たちの身に降り掛かった出来事を説明したばかりなのに、それなのにまだこの街を守ろうとしている。


この4人にとってこの街はどんな風に写っているのだろうか。


「何だよお前ら、気持ち悪りぃな」


亮一が顔をしかめて猟銃を手にした。


大輔の頭部に狙いを定めて引き金に指をかける。


「おい、さすがにそれはまずいぞ」


「わかってる。別に本気で打ったりしねぇよ」


一生に止められて軽く舌打ちをする。


本来は銃口を人間に向ける時点でアウトだ。


大輔の額からは冷や汗が流れ出し、唇は青色に変色していた。


「でも気持ち悪りぃじゃねぇか。なんだよこの茶番劇」