「イケニエについての本なんてタイトルを見てもわからないだろうから、1冊ずつ根気強く確認していくことになると思う」


明宏は手近にあった本を4冊取り出して1冊づつみんなに手渡していった。


幸い長テーブルがすぐ近くに空いているので、そこで調べ物ができそうだ。


「地蔵とか、三福寺についての記述とかをしっかり読んでほしい」


「わかった」


本の数は膨大だけれど、とにかくやるしかない。


行動しないことにはなにも始まらないのだから。


佳奈は覚悟を決めて椅子に座り、分厚い本を開いたのだった。