季節外れのエチュードを

「あの!写真撮ってもいいかな!?」


「……は?」


「私、この絵に一目惚れしちゃって……!松浦くん、絵描くの上手なんだね!すっごく綺麗で、キラキラしてて、すごいなあって思って!私、この絵が好きなの!あ、もちろん悪用とかしないよ!?ただ眺めたいなあって思ってそれで――」


「無理」

「え?」



熱い気持ちをそのまま語っていたら、松浦くんのとんでもなく冷たい声に遮られた。


ギロっと睨みつけられて、心臓が嫌な音をたてる。



「お前、絵描くの得意なの」

「え……えっと、好きだけど得意ではない、かな」

「ふーん、だろうな」



素直に答えると、松浦くんはハッと鼻で笑う。


嫌な予感がする、ううん、嫌なことが絶対起こる。



「そんなお前に褒められたって嬉しくねーわ」

「……っ!」

「つーかうざい、うるさい。そんな言葉求めてねーし」



はあ……と大きくため息をついて「あー」と笑った。



「なんだっけ、写真撮りたい?お断り。じゃ」



それだけ言うと、そのまま行ってしまった。