季節外れのエチュードを

そうと決まれば今日は演劇部に……



「わっ!」



歩こうとした瞬間、また声をあげてしまう。


でも許してほしい。

だってまさか、目の前にその本人が現れるなんて思わないじゃん。



「松浦くん……」

「は?なに」



松浦くんは部活の途中なのか、右手に筆、左手に小さなバケツを持っていた。



「あ、えっと……この絵!松浦くんが描いたんだよね?」



右手で指さすと、松浦くんは「は?」と言ったあと舌打ちした。



え、舌打ち……?



なんだか嫌な予感がする気がしないでもないけど話を続ける。



「え、えっと、ここに名前が書いてあって、それで」

「……美術部の活動で俺が描いた。で、なに」



美術部……!

そっか、美術部か!


なるほどと納得しながら勢いで聞いてみた。