季節外れのエチュードを

「……嬉しい。私も松浦くんの絵、好きだよ!」

「は……はあ!?」



松浦くんの言葉はいつもトゲトゲしてて、オブラートに包むというものを知らない。


だけど嘘は絶対言わないし、素直になれないだけで意外と優しい。


だから信じられる、安心できる。


私が好きな君に好きだと言われるだけで、こんなに心が温かくなる。



「ねえ、この絵写真撮ってもいい!?」


「は?別にいいけどこれまだ完成してねえ、つーか何勝手に話進めてんだよ!」


「ねえねえ美波ちゃん、この作品もうタイトルが決まっててね」


「え?なんていうんですか?」


「          」



それは松浦くんが私のことを想ってくれているとわかる、魔法の言葉だった。