季節外れのエチュードを

「そ……そう、ですか」



全然強気で言うことなんてできなくて、それどころか敬語になってしまった。

おまけに私まで顔が赤い気がして恥ずかしい。


松浦くんはそれ以上何も言わなくて、私もつられて黙る。


すると隣にいた川島先輩がくすっと笑った。



「この絵ね、ずっと真剣に描いてたんだよ」

「え?」

「ちょ、川島先輩!」



松浦くんがすごい顔をして川島先輩を止めようとする。


けれど先輩はそんなこと気にもせず、「ね?」と野田先輩に呼びかけた。



「そうだな。中西、この絵を見てどう思う?」



野田先輩にそう聞かれて、もう一度絵を見た。


すごく綺麗だ。

透明感があって、涼しさを感じる色使い。


それなのにどこか儚くて、そしてすごく温かさを感じる。


松浦くんが描いてくれた私は後ろ姿なのにすごく綺麗だった。


彼からはこういう風に見えているのかと思うと恥ずかしいな、なんて思ってしまうくらいに。


松浦くんが私のことを描いてくれたこと、大好きな海の絵をもう一度描いてくれたことが嬉しい。

本当に、すっごく嬉しい。