どうしよう、嬉しい。
たったひとりでもそう言ってもらえたことが。
そのひとりが松浦くんだったことが。
すごい破壊力だ。
ずっとモヤモヤしていたのに霧が晴れて、前から持っていたキラキラした言葉や景色たちがもう一度輝き出す。
「なに、目から鱗みたいな顔して」
「え、だ、だってびっくりして」
「ふーん。俺はちゃんと伝えたんだから、きっちり受け止めろよ。俺が持ってない才能なんだから」
最後の言葉はいつもの松浦くんにしては珍しく、ぼそっと呟くようだった。
そんな様子と言葉が気になって口を開くけれど、その前に松浦くんが私を見た。
「ま、そんなことないって、あの日お前が教えてくれたんだけど」
「え?それってどういう……」
「ほら、そろそろ帰んぞ」
私の言葉を遮って、松浦くんは帰る支度を始めた。
すごく気になったけれど、絶対教えてくれないなと諦めて私も用意する。
「お前、まだ俺がやったキーホルダーつけてんのかよ」
「別にいいでしょ、私のお気に入りだもん」
「あー、そうですか。じゃあお好きにどーぞ」
こうして松浦くんと軽口を叩くのも久しぶりだな、なんて今更気づいた。
たったひとりでもそう言ってもらえたことが。
そのひとりが松浦くんだったことが。
すごい破壊力だ。
ずっとモヤモヤしていたのに霧が晴れて、前から持っていたキラキラした言葉や景色たちがもう一度輝き出す。
「なに、目から鱗みたいな顔して」
「え、だ、だってびっくりして」
「ふーん。俺はちゃんと伝えたんだから、きっちり受け止めろよ。俺が持ってない才能なんだから」
最後の言葉はいつもの松浦くんにしては珍しく、ぼそっと呟くようだった。
そんな様子と言葉が気になって口を開くけれど、その前に松浦くんが私を見た。
「ま、そんなことないって、あの日お前が教えてくれたんだけど」
「え?それってどういう……」
「ほら、そろそろ帰んぞ」
私の言葉を遮って、松浦くんは帰る支度を始めた。
すごく気になったけれど、絶対教えてくれないなと諦めて私も用意する。
「お前、まだ俺がやったキーホルダーつけてんのかよ」
「別にいいでしょ、私のお気に入りだもん」
「あー、そうですか。じゃあお好きにどーぞ」
こうして松浦くんと軽口を叩くのも久しぶりだな、なんて今更気づいた。



