季節外れのエチュードを

夢中になって描いていると、ガチャンと玄関の扉が開いた音がした。

そしてすぐに私の部屋の扉も開かれる。



「ただいま美波。あ、また絵描いてるの?」

「おかえりなさい。うん、最近楽しくって」



素直に答えると、母は「そう」と嬉しそうに微笑んだ。



「あんた、イラストレーターにでもなりたいの?」

「え?」



ドキッとした。

こういうことを聞かれたのは初めてだ。


それに考えたこともない。

私が目指しているのはイラストレーターじゃなくて、ただあの絵みたいな作品を描くこと。


確かに最近は暇さえあれば絵を描いてるし、それをするのが楽しい。


だけど、職業にしたいかと言われると――