季節外れのエチュードを

もう十一月。

3年生の先輩たちは引退の季節だ。


部長たちは「引退しても遊びに来るから寂しくないよ」と笑って言っていたけれど。


寂しいものは寂しい。

頼りにしていた先輩たちが卒業してしまうこと、環境が変わってしまうこと。


全部仕方のないことだけれど、悲しくなってしまう。


それはきっと私だけじゃなくて、みんなもだ。

それにきっと……松浦くんも。


どこか切なくなっていると、そんな空気をぶち破る明るい声が聞こえてきた。



「美波ちゃん見て!推しの絵完成したよー!」


「わ、すごいね恵ちゃん!」


「えへへ、推しの絵描いてるときはすっごく楽しくて頑張っちゃった」



嬉しそうに笑う恵ちゃんはキラキラしていて眩しい。


でも、でもそうだ。

その気持ち、私にもやっとわかってきたから。