「……ねえ松浦くん」


「なに」


「えっと……あの絵、やっぱり写真撮っちゃダメかな!?」



聞いた、聞いてしまった!

勢いで!

自分でもしつこいと思うけれど、でも。

でもそれでも、なんだか諦められなくて。


松浦くんと目が合う。

心臓がドキドキと痛いくらいに鳴っている。


あ、やっぱりダメかも……

と思ったとき、彼は呆れたように笑った。



「お好きにどーぞ」

「えっ……ほ、ほんとに!?ありがとう松浦くん!」



嬉しい。

すっごく嬉しい。


このまま家までスキップで帰れそうな気分。

今は感動と嬉しさで心臓が痛い。