季節外れのエチュードを

あーもー……

ありがとうってちゃんと言えなかった。


……松浦くん、やっぱり私のこと嫌いなんだろうな。


いやいやわかっていましたけれども。

……でも、もう仲良くなるのも無理なのかな。


いやいやちゃんとわかってるんだけど、わかってるつもり……なんだけど。



「はあ……」



帰ろう。

松浦くん荷物置いて行ってるし、鍵はお願いしてもいいかな。


えっと、筆箱入れた、スケッチブックも入れた……


よし、忘れ物ないよね。

扉へ向かおうと方向転換したとき。


ガラガラっと扉が開いて、松浦くんが帰ってきた。


え、は、早くない?

私を避けたんじゃなくて、どこか用事をすませてきたのかな。


あ、鍵のこと話した方がいいよね。

でもそんなこと言われなくてもわかってるか……


どうしようと頭を悩ませていると。



「なあ、ちょっといい」

「え?」



ぶっきらぼうな口調で松浦くんに話しかけられた。