季節外れのエチュードを



そして15分がたったころ。


……よし、完成した!

達成感に包まれながら席を立ったとき、開けていた窓からビュンと風が吹いた。



「あ!」



声をあげたときにはもう遅くて、私の描いた絵は飛んで行ってしまう。


そしてそのまま――


「……」


松浦くんの足元に落ちてしまった。


ちょっとー!!

私が描いた絵なら空気読んでよ!

そこだけは落ちちゃダメでしょ!


なんて紙に文句を言ってしまうくらい気が動転していた。


どうしよう、拾いに行くにしても気まずい……!

だって松浦くん絶対拾ってくれない――


失礼なことを考えたとき、彼は腰を曲げて私の絵を拾った。



「え!」

「……」



松浦くんは何も言わず、じっと私の絵を見つめている。


……あ、あのー、何か言ってよ……


この際ド下手くそでもなんでもいい。

こうして黙られている方が怖い。


なんて考えていると、松浦くんが顔を上げてぱちっと目が合う。


すると私の方へ歩いてきて、無言で絵を手渡してきた。



「え、えっ……」



私が驚いているうちに彼はそのまま教室を出て行ってしまう。