季節外れのエチュードを

……本当は私も聞きたい。

どうしたらあんなに綺麗な絵が描けるのか、どれくらい練習したらそんなに上手くなるのか。

私の絵はどこをなおしたら上手くなるのか、どうやってあの絵を描いたのか。

海が好きなのか、どうして美術部に入部したのか。


――どうして、あの絵を褒めてあんなに怒ったのか。


聞きたいことはたくさんある。

だけどどれひとつとして聞けていない。



思わずため息をつきそうになったとき。


「あ、おい川島!お前部長のくせに課題すんなよな」


「わっ慎ちゃん!許して~っ、明日締め切りなのに終わらないの~!」


と、川島先輩たちの声が教室に響き渡った。



「お前、もっと前もってやっとけよ。あー、違う違う、ここは3だろ」


「え!教えてくれるの!ありがとう~!」



川島先輩が嬉しそうに笑うと、野田先輩はため息を吐きながらも課題を手伝う。