季節外れのエチュードを




次の日の朝。

私はまだイライラしていた。



美波(みなみ)、昨日演劇部行ったんでしょ?どうだった?」


「え、あー……すごく優しい先輩たちだったよ。発声練習とかした」


「へえー、よかったじゃん」



あんなことがあったけれど、結局演劇部の見学には行った。


時間はギリギリになってしまったけれど、みんな歓迎してくれて温かい場所だった。



「で、演劇部に入部すんの?」

「それは……」



確かに、演劇部はすごくいいところだった。


演劇をしたことがない人も多いと言っていたし、もう入部している同級生とも仲良くなれそうだし。


でも。