周りを見るとカイルやマシューはいなかった。これは逃走のチャンスである。

「逃げなくちゃ!」

彼らが村の人たちに何をしたのか、それはもう眠ってしまう直前に聞いた悲鳴などで想像がつく。彼らが普通の人ではないこともはっきりわかった今、ここにいるのは危険である。

だが、ミアがドアを開けた刹那、カイルとマシューが「逃げたらダメでしょ?」と言いながらミアの腕を掴み、ベッドに放り投げる。

「やめて……!私、帰りたい……」

泣きながら懇願するミアを組み敷き、カイルとマシューはとろけるような表情でミアを見つめる。

「ミアの住んでいた村はもうないよ。だからどこにもミアは逃げられないし、逃がしやしない」とカイル。

「僕たちに溺れて、僕たちのものになってね?」とマシュー。

ところで、ミアの体ってスイーツみたいに甘そうだよね、そう言いながらカイルがミアの着ているネグリジェの前を開き、空気に触れてヒヤリとした肌にキスを落としていく。その間、マシューに優しく太ももを撫でられ、ミアの口から悲鳴が出た。だが、暴れようにも暴れられない。