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その後、3人は無言で地蔵へと向かった。


そこには慎也の首の隣に美樹の首がついた地蔵が鎮座していた。


「美樹……ごめん美樹! 僕じゃダメだった……!」


明宏が地蔵にすがりつくようにして謝罪を繰り返す。


その姿を見ているだけで佳奈は泣いてしまいそうになった。


それでも涙をグッと押し込めて、隣の慎也の地蔵を見つめた。


昨日確認したときと何も変わっていない。


しっかりと目を閉じている慎也の首。


ぬくもりを感じられそうな気がしてそっと触れてみるけれど、それは石そのものの冷たさがあり、胸がチクリと傷んだ。


「みんな心配してる。戻ろうよ」


春香がそう声をかけるまで、明宏は地蔵にすがりついていたのだった。