それからも3人は美樹の首を探し続けた。


公園の中もくまなく探した。


しかし、どこにも美樹の首は見当たらず、黒い化け物ばかりが何体も出現した。


「このままじゃ間に合わないよ!」


さっき路上で出会ってしまった化け物から逃げながら春香が叫ぶ。


時刻はすでに4時を過ぎていて、夜明けまで1時間くらしか猶予が残っていない。


それに加えてこの化け物の大さだ。


首を探す暇なんて少しもなかった。


「それでも探さないと……!」


佳奈が叫び返す。


と、前方にまた別の黒い化け物が現れて3人は同時に足に急ブレーキをかけて止まった。


考えている暇もなく、すぐ横道にそれて走りだす。


もうここがどこだかよくわからなくなってきていた。


入り組んだ細い路地に入れば黒い化け物は追いかけて来なくなるが、首を探したい場所からは随分と遠ざかってしまっている。