首取り様2

春香が飛び跳ねて喜び、佳奈も歓声を上げる。


明宏の耳には途端に喧騒が戻ってきて、そのどちらも聞こえていた。


「この調子ならどんどん行けるね!」


春香が調子に乗って明宏をおだてる。


明宏は黒い化け物に止めをさすために近づいていく。


と、崩れ落ちた化け物の前にきたとき、違和感に気がついた。


黒い化け物は確かに倒れている。


だけどなんだろうこの違和感は?


全身がゾクゾクするような寒気と嫌悪感。


それに吐き気もこみ上げてくる。


ここにいてはいけない!


咄嗟に悪い予感が胸をよぎった。


せめてナイフを回収しておきたかったが、それもままならないほどの予感。


黒い化け物から数歩後ずさりをしたその時だった。


この化け物が出てきた道の角から、黒い影がぬっと姿を表したのだ。


それは1体、2体、3体、4体……。