首取り様2

失敗すれば美樹もああなるんだ。


石の頭になって、地蔵にくっついてしまう。


そして体だけは生き続ける。


想像するだけで寒気がして、1度強く身震いをした。


絶対にそんなことにはさせない。


美樹だけは、絶対に!


歩調が少し早くなったとき、前方からユラユラと揺れて近づいてくる黒い影が見えた。


それは夜の闇よりももっと黒く、手が刃物のように長く鋭利になっている。


黒い化け物だ!!


咄嗟に悲鳴がほとばしりそうになったが、どうにか押し込めた。


「どうしたの?」


黒い化け物の存在に気がついていない春香が、急に足を止めた明宏に向けて聞く。


明宏は答えずにポケットに入れておいたナイフを抜き取った。


その仕草で察した春香と佳奈は、同じように包丁を取り出して両手できつく握りしめた。


明宏の額に汗が流れていく。


ジッと黒い化け物を見つめる目が細められる。


周囲は物音ひとつせず、自分の呼吸音だけが聞こえてくる。